コニスポ!

Masahito Konishi [tailor]

BESPOKE TAILOR DMG,Made to
Birthday : 1969/7/29
Hometown : Osaka Japan

2009/11/18

連載小説「ミナミセンバフットサルチーム」その5

その5

「なるほどね~そういうことかぁ~それは確かになかなか言えないよなぁ~」と横柄に少し笑いながらケイジが呟いた。


すると意気込んだブンちゃんが「とにかくこの話は今ここに居る4人の中で封印しよう。そうする他ないだろう。とにかく解決策を見つけて、いつかほとぼりが覚めて笑い話になるまでは完全にこのことは絶対内緒にしような。あとナカやんを失恋から立ち直させるように我々が頑張らないといかんね!やっぱりフットサルで南堀江の若い店長らに負けんことや!」


ブンちゃんは街の大切な友人ナカやんの気持ちを少なからず考えた中で、少々無理やりな強気なアイデアを言ってみたが皆それに頷いた。。

このブンちゃんの店「オリル」でフットサルのルールや戦術の講習会を週一回開催し、週3回は「お洒落カフェ船場カープ」の屋上で練習するなど船ケーの3人で色々と決めていった。

そして相撲部はポロポロ泣きながら喋り出した。
「有難う御座います。本当に皆さん有難う御座います。これで僕も心配なくバイトを辞めれそうです。皆さん社長を宜しくお願いしますぅ。皆さんフットサル頑張って下さい。」と言った後に皆に深々と頭を下げた。

そして相撲部が頭を上げた瞬間に、なんとブンちゃんの鉄拳デコピンが相撲部の額に見事に炸裂した。


「何するんですか!?」

とビックリしながらも相撲部はブンちゃんに反抗的な言葉で言い返し、額は赤く腫れて、頭からは滝のような汗が流れてきたが、更にブンちゃんは容赦無く相撲部を追求していく。

「相撲君、君みたいな人間がそんな綺麗ごとで仕事を辞める訳がない。君は本当に悪い奴だねぇ、そんなに腐ってると思わなかった。ここでナカやんの為に会社に留まるとか、フットサルで敵討ちするとか言えば、我々もある程度は目をつむるつもりでしたがね…すでに君は犯罪者の領域なんだよ!この先の就職とかどうする?大相撲入りは完全に消えましたなぁ~初めから無理か?!コレはかなりヤバイで!相模三朗君(サガミサブロー)、さぞかし神奈川に居る両親も泣くやろねぇ~、妹の(相模)ケイコちゃんのモンゴルの体育大学への女相撲推薦入学の話なんて無くなるわなぁ~ホンマに君も家族もヤバイで!相模三朗!」と凄みのある喋りで、相撲部の本名サガミサブローを呼び、更に家族の内輪話まで飛び出した。


流石にずっと愛称で呼ばれてたのに、初めて街のリーダーブンちゃんに本名を呼ばれ、誰にも言ってない身内の込み入った話まで調べられていることに、ただただびっくりしながら、大量の汗をながした相撲部こと相模三朗はブルブル震えている。

暫く目を剥いたままで何も語らない相撲部に、業を濁したケイジが突っ込んだ。

「あのさぁ~オマエはホンマに欲深いワルやなぁ~。既に臭い容疑は沢山あるんや!オマエが辞める本当の理由は今がナカやんとのカネの切れ目と判断したからやな!随分ここのバイトで荒稼ぎしたようだし、随分調べさせてもろたで、まずね~君は…」

と南船場ケーサツ、南ケーの本領発揮とばかりにケイジは次々とその容疑を暴いていった。


その5終わり
つづく