謹賀新年〜その弐〜
(前回の記事の続き)
すっかり遅くなってしまいました。もう正月は完全に終わっちゃいましたね。
では早速、三つ目です。
三つ目は「幸運」です。
何か物事がうまくいくときには、必ずといっていいほど「運」が味方をしてくれます。でも、それに黙って期待しておこうという意味ではありません。僕が考えるに、「チャンス」とか「ツキ」というものは、誰にでも多かれ少なかれ、大きかれ小さかれあるものだと思います。大切なのはそれに気付けるかどうかなのだと思います。例えば、「なんかいい話ないかなあ」と他人まかせにするのと、「少しでもいい流れを感じたら、それをたぐりよせてやる」と思っているのは全然違いますよね。もちろん、僕は後者でいたいと思っています。どんな小さなチャンスでもそれが自分の近くにやってきたときにすぐに気付けるようにアンテナをバッチリ張っておいて、どんなときでもそれを確実にモノにできるように常にスタンバイしておくことを怠らないようにしたいもんです。これも、一つ目の「才能」と同じで、「絶対に来る」と信じて、それを掴み取る力を蓄えておきたいと思います。
そして最後、四つ目は「真心」です。
「音楽」を何か別のものに例えるとき、しばしば出てくるのが「料理」です。どちらもスポーツ競技のようなわかりやすい「勝ち負け」が判断しづらく、結局は人それぞれの好み。しかし、集客や売り上げの数字はしっかりと出るわけで、それが少ないと職業としてはなかなか成立しづらい。絶大な人気はなくても、上質かつ高級なモノで勝負する料理もあれば、とにかく大衆に受け入れられるものを、コストを押さえ手頃な価格で大量に売り出すといった種類の料理もあります。または、自分が食べるためだけに作る料理もあれば、赤ん坊や高齢者の方が食べるために作られるものなど、実に様々です。
当然、どれがいいとか悪いとかいう問題ではありませんが、いずれにせよ「真心」が込もっていないと料理でも音楽でも人の心に残ったり、心に響いたりするものにはならないと僕は思います。料理なら「食べてくれる人に少しでも喜んでもらいたい」とか「家族や恋人と少しでもいい時間が過ごせるように」と思って作られたものはおいしい場合が多いですよね。ただ単に「気持ちの問題」だけでなく、その気遣いがあることによって、例えば食材が食べやすい大きさや形に工夫されて切られていたり、調味料の量を微妙に加減できたりするのだと思います。音楽、楽器の演奏にも全く同じことが言えると思います。ただ、どんなに「真心」を込めても、ただそれだけではいいものは作れません。一つ目に挙げた「才能」、二つ目に挙げた「鍛錬」、三つ目に挙げた「幸運」。やはり、"プロ"としては全て必要不可欠だと思います。
そんな感じで、四つ全て出そろいました。他にも「経験」とか「人望」とか、いろいろ必要なものは沢山あって挙げ出したらキリがないので、このへんで。
というか、全部読み返してみると、かなり上から目線の文章ですね。まるで「僕は全て知ってます」みたいな(笑)
あくまで、僕の理想というか哲学みたいなもんです。いつも甘えてばかりの自分を戒めるために書きました。こうして皆さんに大々的に発表したりして自分を追い込んでいかないと、すぐに逃げ出してしまう性格なので。こんな風にありたいなという希望です。「やかましい!」と思った方もきっと大勢いるでしょう(笑)
読んで下さった方、どうもありがとうございました。残念ながらビンゴの方はいませんでしたね…でも、みなさんのコメントやメッセージも読ませてもらいましたが、とても勉強になりました。
そんなわけで僕の今年の抱負は
「才能」を信じ、「鍛錬」を怠らず、「幸運」を逃さないように気を抜かず、「真心」を込めて演奏する
ということで2011年も是非、ROCK'A'TRENCHを、河原真を、応援して下さい!
本年もどうぞよろしくお願いいたします
2011年1月 河原真