河原 真 OFFICIAL BLOG [Simplicity & Fortitude]

Shin Kawahara [musician]

Bassist
Birthday : 1981/4/1
Hometown : Hiroshima Japan
2011年1月

2011/01/18

謹賀新年〜その弐〜

(前回の記事の続き)

すっかり遅くなってしまいました。もう正月は完全に終わっちゃいましたね。

では早速、三つ目です。

三つ目は「幸運」です。


何か物事がうまくいくときには、必ずといっていいほど「運」が味方をしてくれます。でも、それに黙って期待しておこうという意味ではありません。僕が考えるに、「チャンス」とか「ツキ」というものは、誰にでも多かれ少なかれ、大きかれ小さかれあるものだと思います。大切なのはそれに気付けるかどうかなのだと思います。例えば、「なんかいい話ないかなあ」と他人まかせにするのと、「少しでもいい流れを感じたら、それをたぐりよせてやる」と思っているのは全然違いますよね。もちろん、僕は後者でいたいと思っています。どんな小さなチャンスでもそれが自分の近くにやってきたときにすぐに気付けるようにアンテナをバッチリ張っておいて、どんなときでもそれを確実にモノにできるように常にスタンバイしておくことを怠らないようにしたいもんです。これも、一つ目の「才能」と同じで、「絶対に来る」と信じて、それを掴み取る力を蓄えておきたいと思います。


そして最後、四つ目は「真心」です。

「音楽」を何か別のものに例えるとき、しばしば出てくるのが「料理」です。どちらもスポーツ競技のようなわかりやすい「勝ち負け」が判断しづらく、結局は人それぞれの好み。しかし、集客や売り上げの数字はしっかりと出るわけで、それが少ないと職業としてはなかなか成立しづらい。絶大な人気はなくても、上質かつ高級なモノで勝負する料理もあれば、とにかく大衆に受け入れられるものを、コストを押さえ手頃な価格で大量に売り出すといった種類の料理もあります。または、自分が食べるためだけに作る料理もあれば、赤ん坊や高齢者の方が食べるために作られるものなど、実に様々です。
当然、どれがいいとか悪いとかいう問題ではありませんが、いずれにせよ「真心」が込もっていないと料理でも音楽でも人の心に残ったり、心に響いたりするものにはならないと僕は思います。料理なら「食べてくれる人に少しでも喜んでもらいたい」とか「家族や恋人と少しでもいい時間が過ごせるように」と思って作られたものはおいしい場合が多いですよね。ただ単に「気持ちの問題」だけでなく、その気遣いがあることによって、例えば食材が食べやすい大きさや形に工夫されて切られていたり、調味料の量を微妙に加減できたりするのだと思います。音楽、楽器の演奏にも全く同じことが言えると思います。ただ、どんなに「真心」を込めても、ただそれだけではいいものは作れません。一つ目に挙げた「才能」、二つ目に挙げた「鍛錬」、三つ目に挙げた「幸運」。やはり、"プロ"としては全て必要不可欠だと思います。


そんな感じで、四つ全て出そろいました。他にも「経験」とか「人望」とか、いろいろ必要なものは沢山あって挙げ出したらキリがないので、このへんで。

というか、全部読み返してみると、かなり上から目線の文章ですね。まるで「僕は全て知ってます」みたいな(笑)

あくまで、僕の理想というか哲学みたいなもんです。いつも甘えてばかりの自分を戒めるために書きました。こうして皆さんに大々的に発表したりして自分を追い込んでいかないと、すぐに逃げ出してしまう性格なので。こんな風にありたいなという希望です。「やかましい!」と思った方もきっと大勢いるでしょう(笑)

読んで下さった方、どうもありがとうございました。残念ながらビンゴの方はいませんでしたね…でも、みなさんのコメントやメッセージも読ませてもらいましたが、とても勉強になりました。


そんなわけで僕の今年の抱負は

才能」を信じ、「鍛錬」を怠らず、「幸運」を逃さないように気を抜かず、「真心」を込めて演奏する


ということで2011年も是非、ROCK'A'TRENCHを、河原真を、応援して下さい!


本年もどうぞよろしくお願いいたします


2011年1月  河原真

2011/01/08

謹賀新年〜その壱〜

謹賀新年〜その壱〜


新年明けましておめでとうございます。


年末のご挨拶もろくにせず、新年の方も大分遅くなってしまい申し訳ありません。

今年は、例年より少し長めの正月休みをいただきました。大晦日に広島県尾道市瀬戸田町の実家に帰省し、そしてつい先ほど実家を後にし、今は東京へと向かう新幹線の中です。


昨年の疲れをゆっくりと癒しながら、新たな一年を戦っていくにあたっての決意をしっかりと固めるに充分な時間がありました。

その決意を固めていく中で、「音楽」という、芸術でありエンターテイメントでもある世界で成功するために必要なものが四つほど頭に浮かびました。その四つを挙げ、僕の新年の抱負とさせていただきたいと思います。


まず一つ目は「才能」

どんな人にでも潜在能力というものがあると聞いたことがありますが、それがどんな能力なのか、ましてそれを引き出せるかどうかはわかりません。音楽を、しかも沢山の人の前でプロとして演奏する、果たして僕にそんな能力が本当にあるかどうかなんて正直わからないし、別になかったとしても今さらどうしょうもありません。だから、それは「絶対にある」と信じる以外には道はありません。「才能」がないと絶対に成功しないであろう世界に身を投じている以上、「自分には才能がある」と半ば強引にでも決めつけるしかありません。


そして、二つ目は「鍛練」

この言葉を携帯電話のアプリ辞書で調べてみると、
「厳しい修行や練習を重ねて心身や技芸を鍛えること」
とあります。先ほど言った、あるのかないのかわからない「潜在能力」。ないものはいくら引っ張り出しても出てきませんが、あると信じきっている以上、その"潜在"しているはずの"能力"を引き出すために何かするしかありません。その何かが「鍛練」だと思います。楽器の練習を積むことや、自分やバンドのサウンドに磨きをかけていくことは、プロとして至極当然のことです。

しかし、それだけではなく、音楽以外の様々な芸術に触れたり、夜に星空を眺めたり、スポーツを観戦して熱くなったり、美味しいものを食べたり飲んだり、国内外の歴史や文化や言語を学んだりすることで、豊かな感性を養うことも音楽家として当然積むべき「鍛練」だと僕は考えます。

ただ、辞書には「厳しい修業や練習を重ねて…」とあります。
試しに楽器の練習というものだけに焦点をあててみます。


僕は楽器の練習は好きな方だと思います。練習は趣味であり仕事でもあります。自分の欲求を満たすための、つまり趣味として自分のしたいときにだけする練習でも、腕は磨かれていきます。しかし、それだけではプロとしては不十分です。

音色にしてもテクニックにしても、具体的でなくともそれぞれに理想を掲げ、そこまでの道筋を立て、少しずつでも歩み始めると、いろんな壁や障害物が何度も現れます。例えば、


「なかなか上達しない」


「楽器の状態が悪く、思ったように弾けない」


「ひとりのときは音色もフレーズいい感じだけど、バンドでやると全然ダメ」


などなど本当に様々です。


その度に歩みを止めざるを得なくなり、悩んで苦しんで、ときに逃げ出したくなったりしながらも、何度も何度も試行錯誤を繰り返し、打開策を見つけ、それらを乗り越えて初めて次の領域に進むことが出来るのだと思います。楽しいばかりの練習では経験できないことです。


「何事も苦労は無駄にはならない。そして、そういった苦労やしんどい思い、辛い思いからしか、教訓を学ぶ事は出来ない」


前回の記事に登場した、僕の師匠のひとり、納浩一先生の言葉です。


なんだか、二つ目にして長くなったので、ここらで一旦区切ります。

気付けば、もうすぐ東京です。

三つ目、四つ目は何がくるでしょう???


お時間ある方は是非当ててみて下さい。コメントやメッセージお待ちしています。見事ビンゴの方には…


何しよう…(笑)

そんな感じで、次回の記事もお楽しみに。


って「知るか!」という声も聞こえてきそうですけどね。。。

では、とりあえず一旦失礼します。

(次回へ続く)


(写真は、船上から撮った故郷の生口島と瀬戸内海です。今日みたいな晴天の日の、この景色が僕は大好きです)


SHIN