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今日、U-20日本代表が決勝トーナメント一回戦でU-20ベネズエラ代表に延長戦の末負けました。
U-20日本代表の選手スタッフの皆さんお疲れ様でした。
俺は10年前のカナダ大会で自分がPKをはずして負けました。
そしてあの日、俺は強く感じました。
世界の奴らと戦うためにはヨーロッパに行ってプレーしないとあかん!と。
Jリーグを否定してるわけではないし、Jリーグのレベルも間違いなく上がっています。
でも、悔しい事ではありますがヨーロッパとJリーグにはレベルの差が確実にあります。
カナダ大会から5年後、俺は契約が切れるタイミング、つまりフリーでオランダのフィテッセに移籍しました。
あのときの俺はフリーでしか行けるレベルになかったと今でも思います。
だからこそ、ジュニアからユースまで育ててもらいプロになってからも色々な経験やタイトルをもたらしてくれたガンバには、あのとき夢を追う俺を後押ししてくれた事を本当に凄く感謝しています。
そして、ヨーロッパ移籍について思うことがあります。
それは「行きたいときが行くとき」ではなく「行けるときが行くとき」だということです。
ここ数年でヨーロッパのクラブのスカウトにとって日本人選手は間違いなくターゲットになっています。
そうなった理由には、日本人選手のヨーロッパでの活躍、Jリーグのレベルアップ等で日本人に対する評価が上がったことが一つに考えられます。
ですが、アジア、東欧、南米、アフリカの国々も日本と同様にレベルアップしています。
なので10年前や20年前に比べたら移籍マーケットが拡大した分移籍が出来る可能性は高くなったとは思いますが、結局選手も増えてるので難しいのは難しいままだと俺は思います。
そしてヨーロッパのマーケットの動きは速くて分かりやすいです。
その時にいい選手を安く買い、育てて高く売る。
これです。
マーケットの動きから速いからこそ一年、半年、その瞬間が大事です。
では安く買える選手はどのような選手か?
それは若くて才能がある選手です。
若い選手はそれだけサッカー選手としての将来が長いです。
なので0円で獲得した選手が成長次第では数億円、数十億円、数百億円になる可能性だってあるわけです。
クラブにとってはすでにヨーロッパで実績のある選手か若くて才能のある選手がリスクが低くていいに決まっているのです。
「出来るだけ若い内にヨーロッパに行った方がいい」という言葉をよく聞きますが、あれは「“チャンスがあるなら”出来るだけ若い内にヨーロッパに行った方が“世界レベルを早く経験出来るし、その後ビッグクラブに行ける確率も給料が高くなる確率も上がるから”いい」ってことだと俺は思います。
後、俺みたいにヨーロッパで失敗したときに若い方がもう一度トライできる確率も高いと思います。
伝わったか伝わってないかは分かりませんが、俺は日本人選手がヨーロッパの舞台で活躍する姿がもっともっと見たいです。
そうすれば日本代表も強くなりますし、日本人選手を育てたJリーグもJリーグのクラブも世界から注目されます。
長くなりましたが以上です。
U-20日本代表の皆さん、世界の舞台はまだあります。
オリンピック、そしてW杯で今回の悔しさを晴らして下さい。
そのためにはまず、今所属しているクラブで今回の経験を生かして下さい。
こんな俺でもオリンピックに行けたし、A代表にも選ばれたし、ヨーロッパでもプレーも出来ました。
皆さんが本気な分だけ上に上に行けると思います。
本当は若い芽は全部刈り取りたい気持ちですが、そこは負けないように努力します。
日本から世界へ、世界から日本へ。
それでは聴いて下さい。
調子乗り世代と呼ばれていた俺たちは試合に行く前のホテルのミーティングでモチベーションを上げるビデオを毎回見ていました。
そのモチベーションビデオのBGMに使われていた曲、Sum41で「Over My Head」です。