ドイツ・スポーツフリーランサー GENGO SETA OFFICIAL BLOG 頑張るときはいつも今

GENGO SETA [SPORTS FREELANCER in Germany]

Fortuna Düsseldorf
Birthday : 1981/1/1
Hometown : Tokyo, Japan

08/29/2012

今年にかける想い。

こんばんわ。

ドイツ語ではグーテンアーベント。

8月ももう終わりが近づいてきていますが、子供たちは夏休みの終わりが近づいてきて残念な気分と友達に会える楽しみな気分が入り混じる時期ですね。

そして夏休みの宿題に終われてたりするのかな。

オレは毎年例外なく、真っ黒クロスケになってましたね。

あ、それは31歳になった今も一緒ですがw


そんなドイツで迎える8回目の夏も終わり。

もうそんなに経つのかぁとしみじみ。

7年半の月日と言えば、子供が生まれてたと想像すると小学2年生ですからね。

本当に長い月日が流れたもんです。

7年前は、ちょうどフォルトナのサテライトチームに加入して、試合に出たくらいの時期。

当時24歳のオレは、毎日20歳前後くらいの若い選手たちに混じって、とにかくサッカーとドイツ語の勉強に明け暮れる日々でした。

でも真っ赤なフォルトナの練習着を身を纏い、この街のシンボルでもあるフォルトナというクラブの一員として存在していることに誇りを持っていました。

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ドイツ公式戦デビューも果たし、勝利して地元紙にも載って。

ホントのホントに人知れず、でも雑草海外組なんだって思って毎日必死に生きていました。
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あのころのオレは、7年後の自分が、こうやってフォルトナのフロントスタッフとして仕事していることは、まだ想像していませんでした。

ドイツのクラブ運営には興味がありましたが、まさか自分がその中枢に入っていけるとはね。

ドイツ語だってつたなかったし、ましてフォルトナが1部に昇格するなんて。

だったらいいなー、くらいの思いはあったけど、想像なんて出来ませんでした。




そんなオレが今の自分を想像して動き出したのが、その1年後の6年前の夏。

2006年ドイツW杯のあとからです。

オレの渡独の大きな目的のひとつであったドイツW杯が終了し、帰国するか悩んだとき、ここで自分の最大の武器を手に入れるまでは逃げちゃいけないって思ったんですよね。

と同時に、このドイツで誰にも出来ないことを成し遂げたいって。


サッカー選手としては、日本でもJFLがやっとだった選手ですからね。

それがドイツで1部2部でプレー出来ると勘違いするほど、おバカじゃありませんでした。

でもじゃあ、プロクラブのフロントスタッフとして、ブンデスリーガ1部の舞台に立ってやろうって。

同時に、興味のあったドイツプロクラブのマネージメントを自分の目で耳で、そして肌で感じたい、勉強したいと思ったのでした。


そこからはケルン体育大学を目指し、入学し、大学院に所属し、休学し、そしてフォルトナのフロントへ飛び込むという流れですが、よくもまあ、ホントにここまで来たなって自分でもちょっと感心しちゃう部分はあるんです。

3部だったフォルトナのフロントに研修生として入り、誰でも出来る雑用をやりながら、どうやって誰にも出来ない仕事をしていこうかと考えていました。



日本デスクを立ち上げてからも、実はクラブから「これをやれ」と指示されたことはほぼ皆無。

常にこちらから「これをやりたい」と提案し続け、許可されたり、許可されなかったり。

今では当たり前のようにオフィスに行き、自分の席があり、そこに座って仕事をしますが、最初は「物理的にお前の座るスペースはない」なんてところからのスタートでした。


オレは今でもオフィスに行くと、出来るだけスタッフと握手をします。

サッカー選手はみんな、ロッカールームに入ると最初に全員と握手するんです。

そうやってチームワークというか、人間関係というか、信頼関係を築いていくんです。


フロントのスタッフは別に朝それぞれが顔を合わせても、誰も握手などはしていません。

でもオレは今でも、出来るだけみんなと握手をします。

それは当時、とにかく自分の存在を覚えて欲しくて、印象付けたくて、手を出し続けてたからなんです。



重複しますが、いまではもう、オレの存在はクラブ内でも当たり前の存在となりました。

日本デスクも、日本語発行物の存在や、今回のスポンサー獲得で、名実共に最低限の地位を確保出来るようになったと思います。

会長が公の場でオレのことを褒める発言をしたのですから、それは本当に胸を張れることでしょう。



7年前、セカンドチームで言葉もろくに分からず、とにかく真っ黒になってボールを追いかけていた24歳の日本人が、その7年後、こうしてクラブの一部となれている事実。

6年前に今の自分をイメージして動き出し、4年前に実際にフォルトナのフロントへもぐりこみ、そしてオレだけの”オンリーワン”を目指してきました。

最近、TV出演させてもらったり、雑誌に載せていただいたり、今回もNumber Webで取り上げていただいたり、自分でも本を出版したりと、メディアから取り上げてもらえるようになったことを本当に嬉しく思っています。



先週ブンデスリーガは開幕し、フォルトナは白星スタートしたわけですが、今週末はいよいよホーム開幕戦です。

昨季の入れ替え戦の影響で、部分的無観客試合という処置を受けての試合になり、3万人のみの入場となりますが、それでもオレにとっては、本当の意味での1部の舞台ということになります。

あの7年前の、6年前の、4年前の、そのほかのすべての瞬間のオレの”頑張るときはいつも今”が、ついにその瞬間を迎えるんです。


終わってしまえばただの34試合(1シーズン)のうちの1試合に過ぎません。

ブンデスリーガの50年の歴史の中の1ページに過ぎないし、フォルトナの117年の歴史の1ページに過ぎません。

でもブンデスリーガ50周年記念シーズンの、フォルトナ15年ぶりのホーム開幕の、日本企業スポンサー看板デビューの瞬間でもあるわけですから。

だから、その瞬間はやはり、大事にしたいなと思いました。



こんなこと、人から見たらどうでもいいことかもしれません。

やはりオレの人生の主人公は、オレしかいないのですから。

自分で意識して、自分でアピールしないと、当たり前の瞬間として過ぎ去ってしまいそうで。

だから今日はゆっくりと振り返り、そしてしっかりと書かせてもらいました。



これまではとにかく突っ走ってきましたが、今シーズンは一瞬一瞬を大事に大事に感じながら進んでいきたいと思っています。

というか、そうするべきだと思ってるんです。

またこの経験をいろいろなところで伝えていく機会あればいいですしね。


来週日本へ飛び、またいろいろとサッカー関係者などと顔を合わせてくることになっています。

また大阪の高校で講演をさせてもらうことにもなっています。

子供たちがオレのことをどう思い、どう感じるのかは分かりませんが、気持ちを伝えられたらいいなと。




まだまだ若輩者ですが、少しすつ、形が出来てきました。

日本とドイツの架け橋になりたい、という想いがずっとありますが、と同時に、ドイツサッカーの”伝道者”もなっていきたいなぁと感じています。


海外組のサッカー選手とはまた一線を画す、フロント海外組として、また明日から頑張ります。

長くなりました。

読んでくれてありがとうございました。
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「頑張るときはいつも今」

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Comments

はじめまして。ニュースで瀬田さんの記事を拝見し、ブログも拝見いたしました。

私も一度諦めた夢の裏方として仕事出来ないか模索している毎日ですので、異国の地でがんばっておられる姿は、同じ日本人として誇らしく思います。

お体に無理なさらぬようがんばってください!

初めまして!今回ネットでの記事を見てブログを拝見しました。
僕も似たような夢を持ちつつまったくも行動には出れていない毎日ですが、瀬田さんのブログを読んで改めて夢を追いかけてみたいなと思いました。
これからも奮闘記チェックしていきます!
瀬田さんもがんばってください!応援しています!

はじめまして!
こんにちは!

Yahoo!ニュースにNumberWebの記事が載っており、そこからこちらのブログにたどり着きました!
(先ほど、アメブロのほうにURL等のメッセを送ってしまいました、すみません、、、)

ゼロから、日立社のスポンサー契約を取るまでの努力は計り知れないと思います。
改めて感服しております。

これからもさらに上へ上へ頑張ってください!

日本から応援していますね!!!

はじめまして。おはようございます。
ヤフーのニュースから、こちらを拝見させていただきました。

現在私もデュッセルドルフ在住ですが、瀬田さんのような方が
当地で活躍されていることは、同じ日本人として、ブンデスプレーヤーの活躍 同様とても誇りに思います。
次はプレーヤー発掘・獲得是非とも頑張ってください。

ナンバーの記事からたどりつきました。
私はつい最近までスポーツ記者をしていましたが、
こういう裏方や関係者の方の記事をもっと書けたら
やりがいがもっともっとあっただろうなと思いまし
た。
でも反省しつつも、私も今を頑張りたいと思います。
また何かの記事で瀬田さんと遭遇できることを願っ
てます!

Genさん!
Yahooのトップページに
記事が載っていてビックリです!
地道な歩みが確実に実をなしてきていますね^^
これからも応援しています!

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