井戸を掘った人
人々が当たり前のように使っている井戸。
でも掘った人への感謝を忘れてはいけない。
突然なんの話だって感じですが、今日ある方にいただいたありがたいお言葉です。
今日顔を出してきたあるパパ会での一幕でして。
このデュッセルドルフには500人以上が通う日本人学校があります。
そして男の子たちの多くは、サッカーを好んでやっています。
サッカー大国ドイツに暮らしているわけで、親御さんも自ずと力も入るものですよね。
でも、なかなか日本人の子達が思い切ってサッカーをする環境は多くありませんでした。
そんな親御さんからの以来もあり、2006年8月からスタートしたのが、ドイツの地元クラブSC WEST内に、日本人チームを立ち上げるというもの。
オレが全ての責任を負う形で20人ちょっとの1、2年生でチームを作り、活動をスタートしたのです。
その後オレはこのコーチ業は、2012年の10月ですべて後任の若いコーチたちに任せる形で退任。
その後も子供の数は増えて、今では150人くらいの日本人の子達が、このクラブでプレーしています。
この活動が今も続いていることがすごく嬉しいこと。
それは後任のコーチたちが頑張ってくれているからに他なりません。
オレ自身、もうあまり顔出すこともありませんし、それに知っている子供たちも徐々に本帰国していく現実もあります。
それでも、その少年サッカーチームで繋がったパパさんたちが、今でもオレをパパ会に呼んでくれるんです。
元々は週末の子供の試合のときだけに顔を合わせていたパパさんたちが、いつの間にか飲み会を始めて、それが今も続いているのですが。
もちろん、子供の本帰国が増えてるということは、そのパパさんたちが本帰国してるということ。
つまり、オレが知ってるパパさんたちもだいぶ減りました。
それでも、昨日お邪魔した席は、古株のパパさんたちの集まりでして。
懐かしい面々とお酒をいただいてきました。
その席で、子供たちがドイツで思い切りサッカーが出来ているのは、その井戸を掘ったGENコーチがいるからだ、と。
新しくデュッセルドルフに来た方は、そこにあるのが当たり前のように入ってくる。
そこでいろいろなことを言う人が出て来ているが、まずは安心してドイツでサッカー出来ることに感謝すべきだ、と。
正直、この活動を立ち上げた2006年当時のメンバーは、もう1人もデュッセルドルフには残っていません。
でもその後のいろんな経緯を、一緒に見てきたパパさんたちが、そう言ってくれたことが、すごく嬉しかったです。
まあ、これだけ書いてると、みんなオレに感謝しろって言ってるみたいですが。
そういうことではなく、なんかすごくハッとさせられたというか。
なんでも当たり前のことって気付きにくくなるものです。
でも必ずその最初を作った人がいるのだと。
例えばこのデュッセルドルフの日本人社会を最初に作った人に、オレももっと感謝しなくちゃいけないなって。
もっと古いこと言えば、かつて蘭学を学びにオランダに渡った人たち。
かつて遣唐使、遣隋使として海を渡った人たち。
そういう、ゼロからイチを作った人。
最初に井戸を掘った人。
こういう人の存在に感謝しなくちゃいけないですよね。
そして、日独の架け橋になっていきたいと思っているのだから、これからも井戸を掘り続けていかなくては。
なんだかすごくありがたいお言葉で、またやる気が湧いてきました。
よし、全速前進だ!!
「頑張るときはいつも今」
GENGO