これがフィンク、これがフォルトゥナ。
これ以上ない、締めくくりとなりました。
アウェーでのハノーファーとの残留争いとなった一戦は、ラストミニッツゴールでフォルトゥナが1-0で勝利し、3連勝を飾ることに成功したと共に、順位も14位まで上昇させることとなりました。
写真:フォルトゥナHPより
宇佐美選手も3試合連続でスターティングメンバー入り。
しかもマッチアップとなったのは、昨シーズンにコンビを組んだ原口元気選手。
浅野選手は負傷のため欠場となりましたが、フォルトゥナファンにとっては宇佐美vs原口も注目でした。
ボクもアウェーながらスタジアム観戦するためにハノーファーまで行ってきたのですが、とにかく最高の試合結果に、興奮が止まりませんでしたね。
試合後には原口選手ともゆっくり話をすることができましたが、ヘルタベルリンやハノーファーにも所属してみて、改めてフォルトゥナの選手たちの温かさや、チームワークの良さ、クラブの良さを感じたと話してくれました。
そこは本当に大事なポイントだと、ボクは常々思っています。
プロクラブである以上、選手たちはいろいろなところから加入してきますし、バックグラウンドは様々ですが。
でもウチのクラブは、新加入選手の人間性もすごく重要視して獲得するんです。
自分勝手なエゴイストや、チームワークを守れない選手は、ウチには皆無なんです。
それがときにはチームとして、大きな結果を生む、その要因になっていると思っています。
フォルトゥナ人の温かさについては、宇佐美選手も日頃から口にしていますが。
サポーターも本当に素晴らしいと、言ってくれています。
どんなに負けてても、次だ次だって、凄い声援でボクたちをプッシュしてくれる。
そんなサポートを受けた選手たちは、こんなに応援してくれるのに申し訳ない、このファンのために次こそは勝ちたい、そして一緒に喜び合いたい、と思うものなのです。
フォルトゥナにはそれがある、それがボクたちのクラブ、フォルトゥナ・デュッセルドルフなんです。
そんなフォルトゥナを象徴する選手がいます。
オリバー・フィンク、今季のキャプテンです。
2009年からフォルトゥナに所属し、1部昇格、2部降格を経験したのち、一昨年からチームのキャプテンとしてチームを率いていますが、こんなに素晴らしい人格者はいません。
そんなフィンクの象徴的な話を一つ。
彼がキャプテンに就任してから、彼は毎年クリスマスの前に、フロントオフィスにやってきて、フロントスタッフ1人1人に、
「いつも有難う、メリークリスマス」
と感謝の言葉を伝えながら、チョコレートのセットを渡して回るんです。
おそらく選手たちと申し併せて、選手たちからのプレゼント、ということなんだと思いますが(わざわざ聞いたことはないので)、これまでそんな振る舞いは見たことも経験したこともありませんでした。
ボクたちも、選手たちと同様、フォルトゥナのために毎日毎日仕事をしている仲間です。
でも選手たちは、時にそれを忘れてしまっていることもありますが。
このフィンクという選手は、そういった仲間への気遣いと感謝も忘れないのです。
今年も、このハノーファー戦の前々日にオフィスへ大量のチョコレートを積んだカートを押しながらやってきました。
今年はアカデミー出身で、トップチームの欠かせない選手に成長したロビン・ボームートと一緒に来たのですが。
そうやって、若い選手にそういう姿勢を見せるのも素晴らしいなぁと。
ボクは11年前からこのクラブにいるので、フィンクが加入してきたときにはスタッフにいました。
だからよく覚えていますし、彼ともときどき一緒に食事に行く仲なのですが。
公私ともに知っている選手だからこそ、そんなフィンクを心から尊敬しています。
そのフィンクが、ロスタイムの決勝ゴール。
写真:フォルトゥナHPより
嬉しくないわけないですよね。
ただのゴールではなく、ただのラストミニッツゴールではなく、ただの勝利ではなく、みんなでつかんだ、フィンクがチームを救った、そんな素晴らしいゴールで、最高の勝利となりました。
これがフィンク、これがフォルトゥナ。
今年もこのクラブで仕事で来ていることを、本当に誇らしく思います。
選手のみんな、つかの間の休暇を有意義にお過ごしください。
ボクも一時帰国して、少し充電したいと思います。
ひとまず、お疲れ様でした。
「頑張るときはいつも今」