この冬にヨーロッパへと渡ったサッカー選手は、スペイン2部のテネリフェに加入した柴崎岳選手が挙げられるます。
海外の生活にフィットできず、体調を崩しているということで、周りが大慌てでサポートに回っているようですね。
柴崎選手がどうか、ということではないですが、こういったサポートや報道にはなんだか違和感があります。
そこで今日は、海外に挑戦することの意味をボクなりに書いてみようかと。
外国に住むということは、当たり前ですが不自由がつきものです。
なんの苦労もいらない、不自由ない生活ができる母国を出るのですから、それは当然のこと。
それも含めて、新しい環境で生活習慣や言葉の違いに苦しんだり、それを楽しんだりしながら、ヒトとして成長することができるから、海外に飛び出すって意味があると思うんです。
精神的なストレスは大なり小なりあるもんです。
食事にもなれるのに時間かかりますよ。
ピッチの上だけで強度の高い外国人とぶつかり合うことが、強くなる成長できる環境だと思うのなら、それは間違いです。
言葉が通じない中で、孤独や悔しみをどうやって跳ね除けるか考えて、もがきながら新たな自分を見つけるんです。
今まで日本で作り上げてきたジブンなんて、キャラクターも立ち位置も、外国では全く意味がありません。
同じような存在でありたいのなら、その新しい集団の中で掴まなくちゃいけないし、決して今まで通りである必要もないと思います。
ボクはドイツに来た当初は、散々笑われました。
ロッカールームで何言っているか分からず、「ハイ」と「イイエ」と「ありがとう」だけしか言えませんでしたから。
散々からかわれましたが、笑われているのではなく、笑わせてやっていると思って、そのからかいに乗り続けた結果、“言葉はわからないけど面白い奴”と認識され、いつのまにか輪の中に入れてもらえてました。
でももちろん悔しいって思いもありましたから、ドイツ語の勉強は一生懸命やりました。
自慢じゃないですが、1日10時間は余裕でやりましたよ。
時間はかかりましたが、そのお陰でドイツで戦う武器(語学)を身につけることはできました。
サッカーとは集団のスポーツです。
だからチームワークがとっても重要、これは誰でも知ってます。
そしてそれは、ピッチの上だけではなく、ピッチの内外で高めていくものですから。
自分のことを知ってもらうために、または自分の居場所を作るために、自分で動いてもがいてポジションを掴むんです。
これは誰かが用意してくれるものではなく、自分で掴み取るんです。
選手って、多かれ少なかれ、そうやって誰かと競争して自分でポジションを掴んで来たはずですから。
そういえば、シュツットガルトに所属する浅野選手が、パンツ一丁でカンナムスタイルを踊る動画が話題になってました。
あれを見ていて、彼が(ピッチの内外で)自分の居場所を掴んでいることがよくわかると思います。
冗談じゃなくて、あれを見てボクは、面白いと言う感想より、偉いな、という感想の方が先に来ました。
それはプレーにも影響してきますし、こう言う心構えってものを、これから海外に飛び出す若者にはわかってもらいたいのです。
まあ、パンツ一丁で踊れと言うわけではないですが(笑)。
そんなわけで、海外に挑戦するという意味を少しでもリアルに感じてもらえたでしょうか。
成功も失敗も、孤独も悔しみも、すべてがリアルで、すべてが経験になります。
それだけでも十分成長できますから。
柴崎選手も含めて、これから海外に挑戦する若い選手たちは、焦らず、自分の経験を増やしていき、その上で判断して行動していってほしいと思います。
ちなみに、フォルトゥナへ指導者研修に来てる中村コーチは、一生懸命自分で行動しています。
32歳という年齢もありますし、指導者として子供達にいろいろなことを言ってきたでしょうから、やらなくちゃいけないことはわかっているはずです。
それを行動に移しているだけですが、そういう姿を見ると嬉しく思います。
年末に彼が、ドイツ人コーチたちとドイツ語で会話している姿を想像し、彼の挑戦を応援していきます。
というわけで、今日はそんなお話でした。
長くいると説教ぽくなりますが、それが長くいる人間に唯一できることかもしれませんので。
かくいうボクも、もっともっと頑張らねば。
やりたいことはいっぱいありますし、まだまだできてないことだらけ。
ボクも振り返ってないで、前見てボクの道を進んでいきます。
それでは。
「頑張るときはいつも今」